ビデオデッキが一般化して以来。あるいは、HDDレコーダが一般に普及して以来かもしれない。ネット環境の普及とスマートフォンの普及も影響しているのかもしれない。そういったことで、人はオンタイムでテレビの前に座っている必要がなくなった。自分のスケジュールで見れば良いということでもあるし、CM飛ばしは当たり前になったし、今では録画をネット経由で視聴することすらできるので、場所さえも選ばなくなったということでもある。
俗なことしかやっていないから観ないという話ではない。共通言語として成り立っていたものが成り立たなくなったし、そういう時代でもあるのだということでもあると思う。
その事に、気がついている人と気がついてない人と気が付きたくない人と買えたくない人と。色々な理由や色々な思惑があって、今の現状になっていると思われる。このまま行けばどうなりますか?という質問に明確に答えられる人は多分居ないのではないかと思う。
ニュースぐらいしか、地上波でやる必要はないという考えもあるのだろうと思う。色々なオンラインサービスがあるが、それらは有料モデルを採用している。実際にはごく安価な値段で観ることも無理ではないのだが、その値段の妥当性というのは個人差の範疇であるといえる。コストコホールセールというアメリカ企業がある。アメリカの小売の中でも最大手の一つであるが、同社は会員になるための会費を徴収している。そして、その会費で主な費用を賄っているモデルなので、商品を薄利販売することは不可能ではないという仕組みになっている。しかしながら、今のネットの動画配信サービス等の有料化と収益化は簡単な話ではない。
そもそも、ネット関連のサービスに対して、金銭が発生するという感覚がいつまで経過しても希薄であるから、無料で映画をアップロードするなどの行為がいつまで立っても消えない。その事によって、結果としていつまで経っても、コンテンツにお金を払うという文化が育たなかった。その一因にテレビ文化というのも加担していて、CMが流れる代わりにTVという機器を変えば無償で視聴できるということが、どうやら、宿痾となっているような気がする。CMを観ない代わりに、1000円払うシステムがあってもいいし、安価で多チャンネルを楽しめるサービスがもっと増えてもいいのではないかと思う。今の日本の地上波は既に「安かろう・悪かろう」のお手本という気持ちがしてならないのである。
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